ゆるキャリママの暮らしの手帖

庶民派ワーキングママの雑記

36歳で妊娠。その時私は。。

 

昨日のことだけど、明け方、寝言を言ったりもぞもぞしていた娘が私の胸の上に乗っかってきて、「ママ、パパ帰ってきたよ」と言った。

ふと目を覚まし、自分が寝付いた後に帰宅した父親が隣で寝ている姿を見て安心したのだろう。

この子はもう赤ちゃんじゃないな。。愛おしさと同時に少し寂しさがこみあげてくる。

ここ数か月でますます言葉が増えて、大人との会話も成立するようになってきた。もうすっかり“子ども”になってきた感じだ。

去年の9月に2歳になってからもう半年がたつ。保育園の誕生会を見に行ったのがついこの前のことのようなのに。あと半年もすれば3歳だ。

そして手足が伸びてもっとひょろっとして、顔も幼児顔になり、かわいさもピークを過ぎるだろう。か、悲しい。。

本当に時が経つのが早い。特に子どもが生まれてからは新幹線なみだ。

なんだかんだ言っても子どもは、毎日ご飯を食べさせて保育園に行かせて寝かせていれば、自分で成長してくれる。

逆に言えば、私は、毎日ご飯を作って会社に行って寝てるだけだよ、ほとんど。f:id:majolog:20170317103348j:plain

35歳で結婚し、妊娠したのは36歳のときだった。

結婚する前から私は出産・子育てにまったく興味がなくて、DINKSが理想だった。

子どもが欲しかったら、頑張ってもっと早く結婚していたと思う。

もともと子どもが好きじゃないし、上司もDINKSが多くて、お互いを尊重しつつ一緒に楽しむことも大事にする彼らのような夫婦になりたいなと思っていた。

一方、夫は子どもが好きで、結婚するなら子どもが欲しいとはっきり言われた。「できなければしょうがない。でも、あえてつくらない、というのは考えたくない」と。

それを聞いたときは「聞かなきゃよかった。。」と思ったけど、じっくり考えたら、これだけ子どもが好きな夫と子どもをつくらないのは、どうなんだろうって。。何十年かたって、やっぱりつくってあげればよかったと思うんじゃないかって。

どちらにせよ、できるかどうかはわからない。「できなかったらしょうがない」という気楽なスタンスなんだから、自然にまかせればいいじゃないか。そしたら本当に自然にできてしまった。。

どうやら着床したあたりから、なんとなく体の変化を感じてはいた。なんだか体がぽかぽかして、特に下腹部のあたりでマグマが動いているような、血がぐわーっと巡っているような感覚。

予感はあったけど、気のせいと思いたかった。生理予定日から1週間を過ぎて、チェックワンで検査して即陽性反応が出た。

 

その時の私の気持ちは。。。「終わりだ」とまでは思わない。だけど、喜べなかった。

まず高齢出産の不安がある。私は健康な赤ちゃんを産めるのだろうか。

産んだあとは、夫の収入だけではやっていけないから仕事は続けないと。保育園に入れられるのだろうか。

仕事は、社員になって10年以上、それなりに評価してもらえていた。毎年数万円ずつ昇給してもらって、一度会社が厳しくなったときに一律カットがあったけど、私は若手の功労者ということで、ほかの人たちよりも早い段階で昇給してもらえた。

時短勤務のママ社員ではその分給料が減る。それはしょうがない。

それよりも、いずれフルタイムに戻しても、子どもができる前のように働けなければ昇給が望めないだろう。苦労があってもちゃんと報いをうけられることに、やりがいと誇りを感じていたのに。

仕事が忙しくて残業続きの時期でも、帰りに上司や同僚と食事をしてお喋りしてストレスを解消するのが楽しかった。

疲れた日は、帰りに夫と落ち合って外食で済ませることもよくあった。地元にはまだ行ったことがない美味しそうなお店がたくさんある。

仕事帰りにぶらぶらして服を見ることもできなくなるだろう。

旅行だって、飛行機に乗るような距離は気後れして難しいかもしれない。

妊娠したけど、とにかく不安と、失うものの多さに、希望が見出せなかった。

 

もちろん、今では娘が愛おしいし、この子がいなくなるなんて耐えられないと思う。

妊娠中、医療関係の仕事をしている親友に、「私子ども好きじゃないからさ、育てられるか心配で」と話すと、友人は「大丈夫!女の人は出産すると脳みそから母性ホルモンがシュワーッと出るから」と言っていた。そのとおりかも。

でも、もし子どもがいなかったとしたら、それはそれで楽しく暮らしていたと思うよ。

女性は「子どもが欲しい」と思うもの、という見方が世の中の大半を占めているけど、そうじゃない人もいるということはわかってほしい。

子ども好きな友人や早く子供が欲しいという人たちの前ではあまり大きな声じゃ言えないけど、私は「子どもが欲しい」と思うことは一度もなかったよ。

そんな私でも、夫や家族、保育園に助けてもらいながら、なんとか娘の世話をできている。

もし目の前に、私と同じように子ども好きじゃないけど妊娠して困惑している人、子どもをつくろうか迷っている人がいたら、「なんとかなるもんだよ」と言う。

そして、「子どもをつくらない」と決めているのに、世間の風当たりを気にして胸にしまいこんでいる人がいたら、声を大にして「それもありです!」と言いたい。