ゆるキャリママの暮らしの手帖

庶民派ワーキングママの雑記

出生前診断

前回の更新からだいぶ経ってしまったけど、娘を妊娠したときの出生前診断の話。

 

私が東京マザーズで受けたのは、超音波検査のNT測定と母体血清マーカーを組み合わせて確率を算出する検査だった。

赤ちゃんの心拍が確認できた時から出生前診断を受ける意思を伝えていたんだけど、9週目の健診で院長先生に「次回に出生前診断できますよ」とさらっと言われた。

なんだか重くて大変な検査だと思っていたので、先生のあっさりした口調にちょっと拍子抜けした。超音波の検査自体は15~20分くらいで終わってしまうらしい。

 

12週目、出生前診断の当日は、夫も付き添った。

たしか血液採取が先で、そのあと夫と一緒に検診室に入った。

院長先生がいつもの健診と変わらない様子で、じゃあ始めますねとお腹にエコーをあて、12センチ近くに成長した赤ちゃんの体つきや心臓の動きをチェックしていく。

「これが鼻骨」「首の後ろの厚みを測ります」

エコーの画面を食い入るように見つめながら先生の話を聞く。

首の後ろの厚みも正常範囲、心臓の動きも問題ない。「見たところ問題なさそうです」

「まずは一安心でしょうか?」私が聞くと「そうですね、一安心でしょう」と先生が答えた。

緊張で硬くなった体から力がふわーっと抜けていく感じがした。

 

この検査から、正式な診断結果が出るまでが1週間くらい。

先生からたぶん大丈夫と言われたとはいえ、気がつくと結果のことを考えている。

何度もエコー画面のプリントを見ては、首の後ろの厚みを自分で測ってみて「ちょっと厚いんじゃないか」と不安になる。

当時NHKの朝ドラが「ごちそうさん」で、ゆずの主題歌がよく流れていたんだけど、サビの「どーんなー君でもー愛している―」を聴くたびに、「どんな君でも愛しているって言えなくてごめん」と泣いていた。夫のいないところでね。マタニティブルーってやつかな。

結果は一人で仕事帰りに受け取りに行った。

診断書には検査機関での検査結果が記載されていて、院長先生が「これがあなたの数字で、こっちは同じ年齢の平均値です」と教えてくれた。

結果はNegative(陰性)。

ダウン症18トリソミーの確率も、36歳という年齢にしては良い数字で、一気に不安から解放された気分だった。

 

実は、この検査結果が出るまで、両方の家族に妊娠を報告するのを控えていた。

結果が出たその日だか翌日にちょうど私の母からメールがあったので、私から電話して報告した。

検査のことも伝えると、母は「今は(検査を受けるのは)普通でしょ」という反応だった。

父は、「命を選択するようなことはどうのこうの~」って倫理的なことを言い出す方なので、母の反応にはちょっと救われた。

 

もし妊娠したら出生前診断を受けるつもり。この話をすると、だいたいの人はびっくりしていた。

母親になるのが当たり前だと思っている人、子どもができて嬉しくてたまらないって感じだった友人は、その発想すらなかったという反応。

ただ、結婚していても子どもがいない人の中には、共感する人もいた。

検査を受けた話を友人にしたときに、「でも、100%ではないんでしょう? やっぱり不安にならない?」と言われた。

たしかにこの検査は確率を示すもので、確定的なものではない。

私も、自分の性格からして、黒白はっきりしないと結局不安になるんじゃないかと思っていた。

でも、受けてみると意外とすっきりした。背中を押してもらった気分になったというか。「よし!産むぞ!無事に産まれるまでしっかり守るよ」って。

結果が予想以上に良かったこともあるけど、赤ちゃんの病気への理解を深める機会にもなったと思う。

病気はとても怖い。だけど、生まれる前に知ることで、出産時の体制を万全に備えたりその後の治療にいかすことができる。

やみくもに怖がる必要はないんだって、ちょっと強くなれたと思う。