ゆるキャリママの暮らしの手帖

庶民派ワーキングママの雑記

計画していながらいきなり出産前夜

仕事がちょっと落ち着いて余裕が出てきたので出産の話を。

 

東京マザーズでの出産は計画出産が基本だった。

臨月に入ると毎週健診があり、院長先生が妊娠の進み具合を確認する。

臨月に入ったばかりの健診では、出産が早まるかもと言われていた。

「仕事をしている妊婦は早産になりやすい」という思い込みをしていた私は「そら来た!」と臨戦態勢に入った。

ところが、次の健診でも、その次の健診でも、「あまり進んでいませんね」という診断。

「小さく産んで大きく育てる」は最近では時代遅れらしいけど、自分が小柄なので赤ちゃんがあまり大きくなると難産になるんじゃないかと、またもや不安になってきた。

区から支給された妊婦健診の補助券も尽き、血液検査があった日は万単位でお金が飛んで財布も撃沈。

コンシェルジュさんも「補助券終わってしまったんですねー。はやく赤ちゃん出てきてくれるといいですね」と同情してくれた。

当初の出産予定日を目前にした健診では、予定日より1週間くらい遅れるかもという診断で、つい先生に「大丈夫ですか?」と聞いてしまった。

子宮口がやわらかくなっていない状態で無理に進めると、お産が進まなくて結局帝王切開になってしまう可能性があると説明され、「自然に任せるということですね」と納得。

数日後の健診で、ようやく子宮口がやわらかくなってきたということで、4日後に入院し翌日に出産という予定を組んでもらえた。

入院と無痛分娩、硬膜外麻酔などについてあらためて説明され、無痛分娩では麻酔の影響で陣痛が弱くなることがあり、お産が進まない恐れがあるので陣痛促進剤も使うことをきちんと説明された。

 

その翌日、なんだか午前中からやたら快腸で、便秘も一気に解消されていた。

それにしてもよく出るな。。もう3回も出たよ。しかし、その後もたびたび便意がやってくる。

何度も何度もトイレに行って、それでもまだ出そうな感じがして便座に座りこむ。

回を重ねるごとにだんだん水っぽいのしか出なくなってきて(汚い話ですみません)、たまにお腹が下痢の時のようにキュ~ッと痛むようになってきた。

そして15時頃、またトイレに入った時にわずかな出血に気がついた。

えぇぇウンチ出すぎで出血!? いや。。。おしるしだ!

夫に「おしるし来た!」と言うと、夫も「えっ!」と反応し、二人でしばらくオタオタした。

事前にネットや本で調べていた情報では、おしるしはお産が始まる数日前に来ることもあって、おしるしが来たくらいで病院に駆け込むのは時期尚早みたいだ。

その日は祝日で、クリニックが休みだったこともあって、しばらく様子を見ることにした。

ちなみに、昼すぎに義両親と夫が二子玉川にいたのだけど、出産前の最後のお出かけ♪とか言って混んでいる街についていかなくて本当によかった。

 

夜になっても軽くお腹を下したような痛みが1時間に1~2回やってくる。

その時は「いたたた」となるんだけど、騒ぐほどではないし、しばらくすると痛みは引いてしまう。

お風呂上りに再度おしるしが来て、明日クリニックに電話しようと夫と話した。

布団に入ったけど、目が冴えて眠れない。そりゃそうだわ。

お腹の赤ちゃんは元気に動いているけど、胎動の合間にキュ~ッと痛みがやってくる。

深夜、それは30分おきからだんだん15分おきに、1時間に3~4回来るようになった。

これって、陣痛?

前駆陣痛っていうのもあるよね。我慢できるしなぁ。

とにかく、明日クリニックに電話した時に具体的に聞かれるだろうから、腹痛が来た時刻と1時間あたりの回数をメモしておこう。

その後も眠れず、横になっているより座っている方が気が紛れるので、早朝の情報番組が始まる頃にはテレビのある部屋に行って、テレビを見ながらメモに記録していた。

夫が起きてきて「産まれるのかもね。マザーズに電話したら?」と言われたけど、「もう少しで朝だから、8時くらいになったら電話する」と答えた。

正直言うと、駆け込んで急患扱いになって時間外費用がかかったら嫌というのもあった。

1~2時間ほど眠ることができて、目が覚めると8時を過ぎていたのでクリニックに電話した。

「昨日おしるしが来て、お腹が痛くなってきました」と伝えると、看護師さんを呼んでくれた。

看護師さんに「どんな痛みですか? どれくらいの頻度で来ますか?」と聞かれ、「お腹を下した時のようなキュ~ッとした痛みです。10分から15分おきに、1時間に5~6回来ます」と答えた。

確認してくるから少し待つように言われ、数分後に再び看護師さんが電話口に出て、これから入院の持ち物を持って来るように言われた。診察でお産がまだ始まらないと診断された場合は、帰宅してもらうこともあると補足もされた。

「朝食は食べない方がいいですか?」「そうですね。そのまま来てください」

身支度をしてから入院セットを持って夫がタクシーを拾いに行く。まだ自分で歩ける。

「結局まだ始まらないから今日は帰っていいですってなるかもね」なんて夫とのんきに話しながらクリニックに向かった。

 

出生前診断

前回の更新からだいぶ経ってしまったけど、娘を妊娠したときの出生前診断の話。

 

私が東京マザーズで受けたのは、超音波検査のNT測定と母体血清マーカーを組み合わせて確率を算出する検査だった。

赤ちゃんの心拍が確認できた時から出生前診断を受ける意思を伝えていたんだけど、9週目の健診で院長先生に「次回に出生前診断できますよ」とさらっと言われた。

なんだか重くて大変な検査だと思っていたので、先生のあっさりした口調にちょっと拍子抜けした。超音波の検査自体は15~20分くらいで終わってしまうらしい。

 

12週目、出生前診断の当日は、夫も付き添った。

たしか血液採取が先で、そのあと夫と一緒に検診室に入った。

院長先生がいつもの健診と変わらない様子で、じゃあ始めますねとお腹にエコーをあて、12センチ近くに成長した赤ちゃんの体つきや心臓の動きをチェックしていく。

「これが鼻骨」「首の後ろの厚みを測ります」

エコーの画面を食い入るように見つめながら先生の話を聞く。

首の後ろの厚みも正常範囲、心臓の動きも問題ない。「見たところ問題なさそうです」

「まずは一安心でしょうか?」私が聞くと「そうですね、一安心でしょう」と先生が答えた。

緊張で硬くなった体から力がふわーっと抜けていく感じがした。

 

この検査から、正式な診断結果が出るまでが1週間くらい。

先生からたぶん大丈夫と言われたとはいえ、気がつくと結果のことを考えている。

何度もエコー画面のプリントを見ては、首の後ろの厚みを自分で測ってみて「ちょっと厚いんじゃないか」と不安になる。

当時NHKの朝ドラが「ごちそうさん」で、ゆずの主題歌がよく流れていたんだけど、サビの「どーんなー君でもー愛している―」を聴くたびに、「どんな君でも愛しているって言えなくてごめん」と泣いていた。夫のいないところでね。マタニティブルーってやつかな。

結果は一人で仕事帰りに受け取りに行った。

診断書には検査機関での検査結果が記載されていて、院長先生が「これがあなたの数字で、こっちは同じ年齢の平均値です」と教えてくれた。

結果はNegative(陰性)。

ダウン症18トリソミーの確率も、36歳という年齢にしては良い数字で、一気に不安から解放された気分だった。

 

実は、この検査結果が出るまで、両方の家族に妊娠を報告するのを控えていた。

結果が出たその日だか翌日にちょうど私の母からメールがあったので、私から電話して報告した。

検査のことも伝えると、母は「今は(検査を受けるのは)普通でしょ」という反応だった。

父は、「命を選択するようなことはどうのこうの~」って倫理的なことを言い出す方なので、母の反応にはちょっと救われた。

 

もし妊娠したら出生前診断を受けるつもり。この話をすると、だいたいの人はびっくりしていた。

母親になるのが当たり前だと思っている人、子どもができて嬉しくてたまらないって感じだった友人は、その発想すらなかったという反応。

ただ、結婚していても子どもがいない人の中には、共感する人もいた。

検査を受けた話を友人にしたときに、「でも、100%ではないんでしょう? やっぱり不安にならない?」と言われた。

たしかにこの検査は確率を示すもので、確定的なものではない。

私も、自分の性格からして、黒白はっきりしないと結局不安になるんじゃないかと思っていた。

でも、受けてみると意外とすっきりした。背中を押してもらった気分になったというか。「よし!産むぞ!無事に産まれるまでしっかり守るよ」って。

結果が予想以上に良かったこともあるけど、赤ちゃんの病気への理解を深める機会にもなったと思う。

病気はとても怖い。だけど、生まれる前に知ることで、出産時の体制を万全に備えたりその後の治療にいかすことができる。

やみくもに怖がる必要はないんだって、ちょっと強くなれたと思う。