ゆるキャリママの暮らしの手帖

庶民派ワーキングママの雑記

日々、母業

娘が3歳になって、すっかり子どもらしくになってきた。

「もう赤ちゃんじゃないんだから!」なんて自分で言う。

とんちんかんなことも言うけど、よくよく聞いてみると、動物園に行った時のこととか、昨日の保育園でのできごととか、彼女の経験の中からひっぱり出してきて話している。「ああ、あのときのことだね」と通じると楽しい。

毎日、かわいいと思う瞬間がある。

 

だけど、いら立ちを抑えられないことも度々ある。週に1回は怒鳴っているかもしれない。

たとえば、電気をつけるとか袋から物を出すとか、何気ない行動を娘が見ていて、「やりたかった~」とぐずり出すとき。

出かける前とか、帰ってきて早く夕飯つくりたいと焦っているときにこれをやられると、イラッとする。

娘はしつこいからクレーマーみたいにいつまでもぐずって、私に気持ちの余裕がないときはそこで喧嘩になる。

 

私がもっとも怒りを抑えられないのは、食事のときに食べ物を粗末にすることだ。

フォークでぐちゃぐちゃする、口に入れたものを吐き出す。。毎日ではないけど、気乗りしないとき、あまり好きでないおかずのときにやらかす。

この前は、つい頭をはたいてしまった。。

ショックだったのは、そのあとしばらく黙っていた娘が、「ママ、怒らないで。ごめんね」とすがるように言ったこと。

胸が張り裂けそうになり、言葉に詰まった。こんな小さな子に私は何をしてるんだろうと。

私がしていることはしつけではない。怒りにまかせて怒鳴りつけているだけだ。

怒っておきながら娘がかわいそうになるなんて、それも情けない。

 

先月3歳児健診があって、問診で子どもを叩いてしまうことがあるという話になると、勝手に涙があふれてきた。ああ恥ずかしい。

看護師さんは、いらだつ場面での気持ちの切り替え方云々を理屈で説明してくれるけど、正直言って子どもの機嫌の直し方を教えてほしいんだよ。私はまだまだそのレベル。

ほかのお母さんが子どもにニコニコ話しかけたり、ほめたりしてうまくママやっているように見える。

優しそうなママだな、要領よさそうだな。。

 

数日後、インフルエンザのワクチンを打ちに行ってきた。

泣かないでクリアできて、ご褒美にハンバーガー買ってあげるとマックに寄った。

昼時で混んでいるし、雨が降り出しているなか自転車を路駐しているのも気になるので持ち帰りにしたんだけど、店を出るや娘が「ハンバーガー屋さんで食べたかったー」とぐずり出した。

「ハイハイ、お席空いてなかったからねー。今度ねー」とかわしながら自転車をこぎだすも、娘はずっとぐずったまま。家に着くととうとう涙を流して泣き出した。またか。。

注射で泣かないのになんでこんなことで泣くんだよ。私もいらだつ。

ぐっとこらえていると、ふと自分が子どものときのことを思い出した。

うちはモス派だったけど、お店で座ってハンバーガーを待っているときのこと、母親とたまにデニーズに行ったこと。。

ファストフードにファミレス、その程度だけど、チビにとっては特別。

持ち帰って家で食べた方が合理的だけど、それは親の都合だよな。

ご飯を粗末にされて頭に血が上るのも、食べ物を大切にしないからじゃなくて、自分が作ったものをないがしろにされたからだろう。

私はけっこう自分の気持ちを押しつけている。

「ごめんね。ママも小さいころのこと思い出した。お店で食べるのが楽しかったなって。今日は席が空いてなかったけど、今度はお店で食べよう。晴れている日に歩いて行こう」と言うと、半分くらいは理解できたのか、娘がうなずいて落ち着きを取り戻した。

あれ!? なんかうまくいった。。共感が大切なのか?

 

それからは、できるだけ一度は娘に付き合ってみるようにしている。

夕飯を作ろうというときに娘が遊びに誘ってきたら、とりあえず付き合う。

「じゃあここを塗ったらママご飯作るね」「じゃあ最初だけ一緒に見るね」

5分、10分付き合って、「ご飯作ってきていい?」と言うと、「うん」「じゃあできたら呼んでねー」「やってくれてありがとねー」なんて返ってくるようになった。

そんな感じで、ここ2週間くらいは無駄に泣かせることはなく、なんとかうまくやれているかな。

子どもが生まれるまでは、考えようともしなかった母親業。

たまに、生まれる前とは違う人間の人生を歩んでいるような気になる。

 

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七五三の食事会の帰り。気になっていたイベントが終わって 、一安心。

 

出産本番!

陣痛室の記事からだいぶあいてしまいました。すみません。

 

陣痛室の時か分娩室に入ってからか記憶があいまいなんだけど、院長先生と助産師さんに促されて“いきみ”の練習をした。

先生と助産師さんの声掛けにあわせてお腹に力を入れると、「ちがうちがう、お腹をひっこめるんじゃなくて、いきんで」と言われる。

「??どうやっていきむんでしたっけ?」「うんちをする時のように」

ああ、こんな感じ? やってみると、今度はうまくできたらしい。

お産ていう大仕事なのに、こんなに付け焼刃的な習得で臨む私って。。

普通は出産が近づくにつれ、恐怖心とか心の準備とかってあるんだろうけど、私は無痛分娩で痛みがないってこともあって、ちょっと呑気だったか。。

 

分娩台で最初にいきんだ時も、無意識に両側のハンドルを引っ張ったら、「引っ張るんじゃなくて押して!」と言われて、「あれ??」となった。体得するまで何回か引っ張っちゃった。

陣痛の波にあわせて5回くらいいきむ。そのあと10分くらい休憩。ゆったり時間をかけながら進めている感じ。

分娩室に入る前にも麻酔を追加しているので痛みはまったくない。

2セット目か3セット目のときに、うーんといきんでからもう一押ししてみると、助産師さんが「そう、その感じ!今の一押しすごい良かったですよ!」とほめてくれた。

その一言で私もモノにできた気がして、それからはいきみの後の一押しを心掛けた。

全神経を集中させて体中のエネルギーを爆発させるくらい力を入れるので、痛くないんだけど「ウオォォー」って雄叫びをあげたくなる。

「なんか思わずウオォーって叫びたくなりますね」って言うと、助産師さんも「あはは」と笑っていた。

 

中盤で、助産師さんが「赤ちゃんの頭が見えてますよ。鏡で見てみますか?」と言う。来たー。

このくだり、無痛分娩経験者の友人から聞いたときは「そんなグロイの絶対見たくないよ」と思っていたのだが、穏やかな雰囲気に流されて「そうですね~」と答えていた。

助産師さんが大きめの鏡を持ってきて向かいに立つ。

自分のあそこを見たことだってほとんど無いのに、今じゃいったいどんなことになってるんだろうか。。

首を伸ばしておそるおそる向こうの鏡をのぞきこんだ。

「ん?」一瞬ではどうなっているのかよくわからない。じーっと見つめると、割れ目が数センチ開いていて、そこにてかてかした黒っぽいものがある。

「頭頂部が見えている状態ですよ」という助産師さんの言葉で状況がわかった。黒っぽいのは赤ちゃんの髪の毛がフサフサだったからだ。

でも、頭頂部に何かできものみたいものがあるな。。

「できものみたいなのが。。」と言うと助産師さんが「ああ、これはたぶんポリープ」と答えた。ポリープ!

妊娠5か月目に入った時に軽い出血が続いて、診察で自宅で安静するように言われウテメリンを飲みながら仕事も2週間ほど休んだことがあった。

切迫流産なのか何なのか原因がわからなくて、いつまた出血するか不安だっだんだけど、中期の診察の時に経膣エコーで見てもらったら、どうやら膣内にポリープがありそこからの出血だったのではということだった。

ポリープはそんな恐ろしいものじゃないし、出産時に一緒に出てくることもあるから、特に心配はない。

それでポリープのことはすっかり忘れていたんだけど、本当に赤ちゃんが出してくれたんだ。。ありがとう~。

 

そしていよいよクライマックス。

助産師さんが「そろそろ次のタイミングで産みましょう」と宣言し、院長先生を呼ぶ。

院長先生と助産師さんの声掛けに合わせていきむこと数回、助産師さんの「産まれますよ~!」の歓声と、分娩室の戦闘モードのクラシックBGMが音のシャワーみたいに混ざり合って、その瞬間、助産師さんがとり上げた赤ちゃんが目の前に登場した。

助産師さんが満面の笑みでワールドカップのトロフィーみたいに掲げて。。いや、実際にはそんな頭上高くには掲げていないと思うけど、雰囲気ね。

わぁ~、このシーン見たことある。。テレビでやってるやつそのままだー。

赤ちゃんは「ほぎゃー」って元気に泣いている。かわいらしい泣き声で、わかっているのに思わず「女の子だー」とつぶやいた。

夫は私の希望で外してもらっていたので、院長先生がへその緒を切った。

後産の処理や会陰切開の処置が終わると、夫も招き入れられ赤ちゃんと対面した。

 

体を拭いてもらった赤ちゃんが私の胸の上にポンと置かれ、カンガルーケアが始まる。

出てきた直後も思ったけど、すごく顔色が良い。

生まれたての赤ちゃんて真っ赤な顔してしわくちゃなイメージがあったけど、色白でほんのりピンクでかわいい。

名前は決めていたので、愛称で呼びかける。写真やビデオを撮ったりして初めての家族の時間を過ごしたんだけど。。

カンガルーケア長い。。

まず赤ちゃんの体が冷えないように暖房がガンガンで、暑がりの私は汗かきまくりで喉が渇いてOS1を飲みまくっていた。

分娩室に入ってから産まれるまでは1時間弱であっという間だったんだけど、カンガルーケアは1時間くらいだっただろうか。。2時間くらいに感じた。。何度も「まだかな」と思ったよ。。

しかも、私のために用意されていたクリニックの夕食が、衛生管理上のルールで下げなくてはいけない時間になり、もったいないからと看護士さんの計らいで夫がいただくことになった。

夫は私の個室でクリニック自慢の食事をたいらげ、その間も私は分娩室でカンガルーケアしてひたすらぼーっとしていた。やっぱり2時間くらいあったのかも。

その後ようやく個室に移った。夫が近くのコンビニで買ってきたおにぎりが、この日初めての食事。

分娩台に乗ってからは想像以上に上半身の力を使っていたのだろう、どっと疲れが出てきた。

首と肩がバキバキにこってしまって、夫にマッサージしてもらう。 やっぱりお産てめちゃくちゃ体力使うんだな。

そのあと夫は、タオルでおひな巻きされた娘をじっくり見つめて、「すげぇかわいい」とつぶやいていた。そうですか、そんなにかわいい? なんか照れるな。。

夫は娘を連れて帰りたいとも言っていたが、23時過ぎに一人で帰っていった。

痛みは後陣痛と会陰切開の傷みが徐々に出てきた感じ。痛み止めを飲んで備えた。

東京マザーズは基本的に母子同室なんだけど、この日は娘を新生児室に預けて休ませてもらうことにした。

母親になったっていう実感よりも、とにかく私お疲れさまでした~って感じだったな。

本当にまだまだ呑気でした。

f:id:majolog:20171012163222j:plain翌日クリニックからプレゼントされたお花です。