ゆるキャリママの暮らしの手帖

庶民派ワーキングママの雑記

出産本番!

陣痛室の記事からだいぶあいてしまいました。すみません。

 

陣痛室の時か分娩室に入ってからか記憶があいまいなんだけど、院長先生と助産師さんに促されて“いきみ”の練習をした。

先生と助産師さんの声掛けにあわせてお腹に力を入れると、「ちがうちがう、お腹をひっこめるんじゃなくて、いきんで」と言われる。

「??どうやっていきむんでしたっけ?」「うんちをする時のように」

ああ、こんな感じ? やってみると、今度はうまくできたらしい。

お産ていう大仕事なのに、こんなに付け焼刃的な習得で臨む私って。。

普通は出産が近づくにつれ、恐怖心とか心の準備とかってあるんだろうけど、私は無痛分娩で痛みがないってこともあって、ちょっと呑気だったか。。

 

分娩台で最初にいきんだ時も、無意識に両側のハンドルを引っ張ったら、「引っ張るんじゃなくて押して!」と言われて、「あれ??」となった。体得するまで何回か引っ張っちゃった。

陣痛の波にあわせて5回くらいいきむ。そのあと10分くらい休憩。ゆったり時間をかけながら進めている感じ。

分娩室に入る前にも麻酔を追加しているので痛みはまったくない。

2セット目か3セット目のときに、うーんといきんでからもう一押ししてみると、助産師さんが「そう、その感じ!今の一押しすごい良かったですよ!」とほめてくれた。

その一言で私もモノにできた気がして、それからはいきみの後の一押しを心掛けた。

全神経を集中させて体中のエネルギーを爆発させるくらい力を入れるので、痛くないんだけど「ウオォォー」って雄叫びをあげたくなる。

「なんか思わずウオォーって叫びたくなりますね」って言うと、助産師さんも「あはは」と笑っていた。

 

中盤で、助産師さんが「赤ちゃんの頭が見えてますよ。鏡で見てみますか?」と言う。来たー。

このくだり、無痛分娩経験者の友人から聞いたときは「そんなグロイの絶対見たくないよ」と思っていたのだが、穏やかな雰囲気に流されて「そうですね~」と答えていた。

助産師さんが大きめの鏡を持ってきて向かいに立つ。

自分のあそこを見たことだってほとんど無いのに、今じゃいったいどんなことになってるんだろうか。。

首を伸ばしておそるおそる向こうの鏡をのぞきこんだ。

「ん?」一瞬ではどうなっているのかよくわからない。じーっと見つめると、割れ目が数センチ開いていて、そこにてかてかした黒っぽいものがある。

「頭頂部が見えている状態ですよ」という助産師さんの言葉で状況がわかった。黒っぽいのは赤ちゃんの髪の毛がフサフサだったからだ。

でも、頭頂部に何かできものみたいものがあるな。。

「できものみたいなのが。。」と言うと助産師さんが「ああ、これはたぶんポリープ」と答えた。ポリープ!

妊娠5か月目に入った時に軽い出血が続いて、診察で自宅で安静するように言われウテメリンを飲みながら仕事も2週間ほど休んだことがあった。

切迫流産なのか何なのか原因がわからなくて、いつまた出血するか不安だっだんだけど、中期の診察の時に経膣エコーで見てもらったら、どうやら膣内にポリープがありそこからの出血だったのではということだった。

ポリープはそんな恐ろしいものじゃないし、出産時に一緒に出てくることもあるから、特に心配はない。

それでポリープのことはすっかり忘れていたんだけど、本当に赤ちゃんが出してくれたんだ。。ありがとう~。

 

そしていよいよクライマックス。

助産師さんが「そろそろ次のタイミングで産みましょう」と宣言し、院長先生を呼ぶ。

院長先生と助産師さんの声掛けに合わせていきむこと数回、助産師さんの「産まれますよ~!」の歓声と、分娩室の戦闘モードのクラシックBGMが音のシャワーみたいに混ざり合って、その瞬間、助産師さんがとり上げた赤ちゃんが目の前に登場した。

助産師さんが満面の笑みでワールドカップのトロフィーみたいに掲げて。。いや、実際にはそんな頭上高くには掲げていないと思うけど、雰囲気ね。

わぁ~、このシーン見たことある。。テレビでやってるやつそのままだー。

赤ちゃんは「ほぎゃー」って元気に泣いている。かわいらしい泣き声で、わかっているのに思わず「女の子だー」とつぶやいた。

夫は私の希望で外してもらっていたので、院長先生がへその緒を切った。

後産の処理や会陰切開の処置が終わると、夫も招き入れられ赤ちゃんと対面した。

 

体を拭いてもらった赤ちゃんが私の胸の上にポンと置かれ、カンガルーケアが始まる。

出てきた直後も思ったけど、すごく顔色が良い。

生まれたての赤ちゃんて真っ赤な顔してしわくちゃなイメージがあったけど、色白でほんのりピンクでかわいい。

名前は決めていたので、愛称で呼びかける。写真やビデオを撮ったりして初めての家族の時間を過ごしたんだけど。。

カンガルーケア長い。。

まず赤ちゃんの体が冷えないように暖房がガンガンで、暑がりの私は汗かきまくりで喉が渇いてOS1を飲みまくっていた。

分娩室に入ってから産まれるまでは1時間弱であっという間だったんだけど、カンガルーケアは1時間くらいだっただろうか。。2時間くらいに感じた。。何度も「まだかな」と思ったよ。。

しかも、私のために用意されていたクリニックの夕食が、衛生管理上のルールで下げなくてはいけない時間になり、もったいないからと看護士さんの計らいで夫がいただくことになった。

夫は私の個室でクリニック自慢の食事をたいらげ、その間も私は分娩室でカンガルーケアしてひたすらぼーっとしていた。やっぱり2時間くらいあったのかも。

その後ようやく個室に移った。夫が近くのコンビニで買ってきたおにぎりが、この日初めての食事。

分娩台に乗ってからは想像以上に上半身の力を使っていたのだろう、どっと疲れが出てきた。

首と肩がバキバキにこってしまって、夫にマッサージしてもらう。 やっぱりお産てめちゃくちゃ体力使うんだな。

そのあと夫は、タオルでおひな巻きされた娘をじっくり見つめて、「すげぇかわいい」とつぶやいていた。そうですか、そんなにかわいい? なんか照れるな。。

夫は娘を連れて帰りたいとも言っていたが、23時過ぎに一人で帰っていった。

痛みは後陣痛と会陰切開の傷みが徐々に出てきた感じ。痛み止めを飲んで備えた。

東京マザーズは基本的に母子同室なんだけど、この日は娘を新生児室に預けて休ませてもらうことにした。

母親になったっていう実感よりも、とにかく私お疲れさまでした~って感じだったな。

本当にまだまだ呑気でした。

f:id:majolog:20171012163222j:plain翌日クリニックからプレゼントされたお花です。 

 

 

麻酔注入!

クリニックに着くとコンシェルジュさんが出迎えてくれ、ほどなくして診察室に通された。

院長先生がすばやく内診する。「赤ちゃんだいぶ下がってきていますね。お産始まりますね。このまま入院しましょう」

えっそうなの。。「産まれるのは明日くらいですかね」「いや、早ければ今日の夕方にも産まれますよ」。えっほんとに!?

隣の部屋に戻ると先生が夫に報告していたところで、「産まれるってね」と夫もちょっと驚いたように言ってきた。

診察が終わるとコンシェルジュさんがいそいそと2階の個室に案内してくれた。

荷物を置いて分娩着に着替え、すぐに麻酔処置室に移動する。裸になって、台の上で膝を抱えて横になるように指示された。

腰に麻酔の管を入れるための麻酔を打つ。「歯医者さんの注射のようなチクッとした痛みがありますよ」と院長先生。

そう言われると腰に意識が集中しちゃうんだけど、一瞬チクーッと感じただけだった。

そのあとに子宮口を開くためのメトロを入れますよ~と入れられたんだけど、そっちの方が痛かったわ。先生、痛いよって言ってー。

 

無痛分娩の準備がひととおり終わると、個室の陣痛室に案内された。分娩室に入るまではここで待機する。

麻酔科医の先生が来て、麻酔の注入も始まった。

麻酔は、管の途中にボタンがあって、それを押すと麻酔が足されるようになっている。少しでも痛いと感じたら自分で追加してくださいと助産師さんが言っていた。

クリニックに着いてから1時間あまり。あれよあれよという間に準備が進められて、なんだか実感がわかない。

母親に電話して、「陣痛がきたので入院することになった。ていうか、もう入院している」と言うと、母も「産まれるのは明日の朝くらいかな」と言っていた。初産は時間がかかるものだと思うよね、だいたいは。

夫は仕事の引き継ぎをするために一度職場へ行って、午後にまた戻ってくることにした。

私はなるべく普段通りに過ごしたかったので、持ち込んだ雑誌を読みながらモニターで陣痛の波を観察して過ごした。

時おり助産師さんが来て、子宮口の開き具合をチェックしたり、尿を下げてくれる。

おしっこは陣痛の合間にトイレに行くのかと思っていたら、導尿での排せつだった。

それにしても昨日のトイレラッシュ。出産に向けて体が余分なものをどんどん外に出していたのかな。だとしたら人間の体って本当にすごい。

私もけっこうトイレで踏ん張っていたから、それで赤ちゃんが降りてきてしまったのかしら。。

 

お昼前、向かいの分娩室から赤ちゃんの産声があがって、歓声も聞こえてきた。今日1番目の赤ちゃんが生まれたらしい。

無事に産まれたんだなと思ったら、自分のことじゃないのに目頭が熱くなってきた。

助産師さんが気がついて「大丈夫?」と聞いてくれ、あわてて「産まれてよかったなと思って」と答えた。

昼すぎに院長先生が内診して、破水を確認。順調に進んでいるとのことだけど、陣痛促進剤を投与した。

実際には全然痛くないんだけど、陣痛促進剤も入ったし、痛くなる前に麻酔を追加しておこうとボタンを押した。

麻酔の効果は絶大で、お腹がぐぐーっと収縮して陣痛がきているのは分かるのに、まるで痛くない。

ところが午後になるとだんだん腰が痛くなってきて、助産師さんに相談するとすぐに麻酔の先生を呼んでくれた。

これも陣痛のひとつということで、腰の痛みを取る薬も投与してくれた。おかげで腰痛もなくなり、左腕の点滴が地味に痛いだけになった。

相変わらず陣痛はジャンジャン押し寄せている。なんか陣痛VS麻酔だな。私は傍観者のよう。。

お腹の収縮とモニターの波形の連動を観察しているうちに眠くなり、1時間ほど仮眠した。

 

夕方になって院長先生が再診し、子宮口がほぼ全開に近づいているので1時間後に分娩室に移りましょうと告げられた。

いよいよ分娩室に入る時が来た。ストレッチャーが運ばれてきてベッドに横づけされ、乗るように言われたんだけど、麻酔が効いて脚に力が入らない。

上半身を使って這うようにストレッチャーの上に移動する。ちょっとへとへとだぞ。これから産むってのに私大丈夫か?

夫は、私の希望で分娩室には付き添わず外で待機なので、ここでバイバイだ。

「頑張って」と一言だけの夫に、私も「はい、行ってきます」と答えた。